前回は主に標準治療について書いた。
今回はそれ以外の治療法について触れる。
なお、最後にも書くが、ワタクシは素人であり、かなり殴り書きにもなるので、参考程度でお願いしたい。
標準治療は基本的に外科手術と抗がん剤だ。
抗がん剤は毒でがんを制す発想なので、副作用がきつい。
もう少しピンポイントでがんを攻撃する薬が分子標的薬というもので、徐々に新しいものが開発されている。がん細胞が新しい血管を作るのを阻害したり、がん細胞のDNA修復を阻害したりするものがある。
ただこれもそれなりの副作用はある。人によっては重いケースもある。
あとは乳がんではホルモン療法というのが好成績を挙げている。これはがんを成長させないというもので、副作用が少ないのが特徴。また、効くかどうかが検査で分かるのも特徴。
前回も触れたが、オプジーボで有名になった免疫チェックポイント阻害剤もある。現在は多くのがんで保険適用されているので、以前のような高額になることはない。
ただ、免疫チェックポイント阻害剤は効かないケースがかなり多い。その理由は研究がされているが、他の物質が免疫チェックポイント阻害剤に結合してしまって、本来の目的を果たしていないのでは?とか、インターロイキンという免疫細胞間で情報をやりとりする物質の一種が影響しているなどが考えられている。
一度効いた人も、いずれ効かなくなるのも特徴で、恐らく同様の理由によるのだろう。
免疫系は他にもいろいろあって、保険の効かないヤツも多い。前回触れたが、ワタクシも相談に行ったことがある。
そこでやっているのは、樹状細胞という免疫にかかわる細胞にがんの特徴を与えて体に戻すというもの。
もっと直接的に、免疫細胞(T細胞)をがんの特徴(特定のたんぱく質)に結合するよう改造して体に戻すCAR-Tという治療法もある。
似たような技術にメッセンジャーRNAワクチンというものもある。
聞いたことあるね?
コロナのワクチンで使われている技術だ。
がん細胞の特徴(特定のたんぱく質)を作るようプログラムされたRNAを送り込んで、がんに対する免疫をつけるイメージだ。
目先を変えて、薬物以外の治療法に放射線がある。
放射線の照射でがん細胞にダメージを与えるものだ。
放射線治療はやはり放射能の影響が気になるので、長期間にわたっての治療はできないし、がん周辺の組織も一緒にダメージを受けてしまう。
そこでがん細胞にピンポイントで照射できる技術として、重粒子線というものがある。
通常の放射線に比べ、エネルギーが集中する場所をピンポイントに狙える特徴がある。がん細胞の近くに金属?を埋め込み、それを道しるべにして、がん細胞に照射し続ける技術もある。これなら、鼓動や呼吸などによって重粒子線がずれることなくずっとがん細胞にあたり続けるらしい。
放射線治療をすると、関係ない場所の腫瘍が縮小することがある。これは放射線治療によって、崩壊したがん細胞を免疫系が認識して、他の場所のがん細胞を攻撃したと思われる。
必ず起きる事象ではないが、こんなギフトが付いてくることもある。
これに免疫チェックポイント阻害剤を組み合わせる研究もされている。
あとは、がんがなぜ再発するのか?薬物治療で見えなくなったのに復活するのはなぜか?という点についても研究がされている。
これは重要なテーマだと思う。
ここに書いたものは、素人のワタクシが認識したものを殴り書きしたので正確ではないかもしれないが、がん治療は様々なアプローチで日々進歩しているということは間違いない。
なお、いま現在治療が期待できるもの、治験中で普通は使えないもの、がんの種類が限定されるものなど、すべてが適用できるわけではないことも付け加えておく。