1.
桜の下には死体が埋まっているなんて話があります。
え?知らない!?
梶井基次郎さんの短編「櫻の樹の下には」の冒頭「櫻の樹の下には死体が埋まつてゐる」から来ていると思われるが、民俗学者・柳田国男による「桜という地名がつく場所は死体置き場だった」によるのかもしれない。
後者で思い出すのは奈良県桜井市だろう。言わずと知れた古墳銀座だ。
桜と死が結びつく理由まではよく分からないが、桜は花期が短く、一斉に散っていく様ははかなくも美しい。そういう様がそのように捉えられたのか。
2.
上記のような観念的な話は好きにやっていただければよろしいが、実際問題、地面を薄桃色に染め抜く花びらを誰が掃除するのかということを考えると、桜ばかりでなく掃除する人にも感謝しなければならない。
ハンパないからね。花びらの数。
椿みたいに花ごとボトって落ちればまだいいけど、桜は花びらまでバラバラになって落ちるからね。その数たるや、ハンパない。
3.
桜の下には他にも厄介なのがいる。
毛虫だ。
ワタクシの印象では、子供の頃によく遊んでいた児童館の桜にアメリカシロヒトリの幼虫(毛虫)が大量に湧き出しているイメージ。「ギャー!!」
なので、桜の木に近づくのはちょっと躊躇するのだ。
(画像は自粛)
4.
大学生の頃、大学OBを招く桜の会みたいのが毎年あって、大学売店でバイトしていたワタクシ、大学のグッズを桜の下で販売していた。
その年は開花が早く、花見の会の時には散り初めで、花びらとかガクとかがボロボロ落ちてきていた。
これが頭に触れると痒いんよ。桜にはアレルギーないみたいなんだけど、確実に反応していたと思う。
売店の販売員なのに、目を真っ赤にして、鼻水垂らしていた。我ながら「無いナ」と思った。でもしょうがないじゃん。
5.
ちなみに、最近はソメイヨシノの高齢化で各地で弱ったソメイヨシノを必死で守っている。土壌なんかも気にして。
だいたい、街路樹の足元はガチガチだ。すぐ近くまでアスファルトなどで固められていて、土の部分も硬直的。虫も湧かないようにしているからミミズも不在。土はますます密度を増してガッチガチに。
ワタクシの近所の桜並木では、ミミズ様に土壌改善を委託している状況。
かなり高齢の桜並木なので、どこまで回復するやら。
ということで、桜の下には「死体」「死ぬほど多い花びら」「死ぬほど気持ち悪い毛虫」「死ぬほど痒い花粉症男」「期待度が高すぎて死にそうなミミズ」がいることが判明。
少なくとも、桜の下には毛虫の死体、もしくはミミズの死体があってもおかしくない。だから、桜の下には当然に死体があるでしょう、と思うnishiwooでした。